1980年代はHY戦争が激化する
レーサーレプリカ全盛の時代
その中に在って私が選んだのは
HONDA CB50Jでした
2サイクルには加速で劣りますが
メカニカルな4サイクルエンジンは
高回転域の伸びが素晴らしく
いかにもオートバイらしい
古典的でシンプルな外観に
当時中学生だった私は
すっかり魅せられてしまいました
上記リンクはアメブロで投稿した
バイク弄りの様子…
当初はノーマルで乗るつもりでしたが
同時期バイクに乗り始めた友人のモンキーが
少しづつ改造して変化するのを目の当たりにして
更にバイク専門誌で取り上げられた
CB50CafeRacerに
強烈な影響を受けてしまったりで
すっかりカスタムバイクになってしまった(笑)
そんな10代の頃から約30年間乗り続けた
愛機HONDA CB50J改
このたび手放すことにしました
手放すとは云っても
全く知らない誰かにではなく
私が手放すことを知った身内が
引き取る意向を示してくれたのです
今後は彼が大切に乗り続けてくれます
そんな訳で引き渡し前の整備を実施しました
大切な身内が乗るのですから必然気合いが入ります
最近乗らなかったことに加え積年の整備不良
エンジンの調子は決して良くありません
高回転域が頭打ちするのでキャブレターを分解清掃するが
望むような結果にならず引き渡すには程遠い状態です
不調の原因は点火時期の狂いでした
ポイント点火ですから定期的な調整が必要ですが
長い時間をかけて点火時期が狂うと
不調の変化に気付きにくいものです
フライホイールは特殊工具で分解します
フライホイールを取り外すと
ポイントが姿を現わします
メンテナンス不要のCDI点火と比べて
定期的な手入れが必要な反面
調子が悪くなれば調整次第で何とかなる
自分で何とか出来るというのは
ある意味で安心感があります
こちらが分解したフライホイール
内側の軸がカムになっているので
組立前に摺動面を綺麗に磨きました
レッドゾーンでは12000rpmで
超高速回転する部分なので
規定トルク(500kg・cm)で締めます
最後はポイントを調整して点火時期を合わせます
フライホイール外周のFマークに合うと
僅かに抵抗値が高くなる位置にポイントを調整
注)このテスターは壊れています
正常であれば2Ω程度の数値です
Fマークに合った瞬間
僅かに針が左に振れるのを
目視確認できれば良いのです
テスト走行では高回転域が好調になりましたが
アイドリングがやや不安定
エアスクリュー開度が標準1+1/2回転に対して
2回転以上でアイドリングが安定する状態です
上記の状態は低速域の混合気が濃い目の症状
冬場は空気の密度が高くガスが薄くなるので
夏場は更に濃い目の傾向になると判断
スロージェットの番数を下げることにしました
中央に二つ並んでいる右側がメインジェット
アクセル中~全開域でガスを供給します
左側がスロージェットです
アクセル全閉~1/4開でガスを供給します
現状が#38でしたから#35に変更しました
ブレーキシューを新品に交換します
使用限度まで使い切ったので
ブレーキライニングが
だいぶ擦り減っていました
本当はメーカー純正を使いたかったのですが
部品屋さんに確認すると既に廃番でした
一番大切な消耗部品ですから正直ショックでした
ホンマ泣けてくる…( ;∀;)
キタコ製のブレーキシューに交換
社外品でも手に入るだけ恵まれています
もっと希少なバイクになると
特注になることもありますから
アメブロの記事でフレーム交換した時
カッコ悪いけど放置していた
バッテリー取り回しの件です…
ノーマルタンクのブラケットを切削除去して
平らになった部分にバッテリーを設置します
身内へ引き渡す期日が迫っていたので
作業の工程写真は省略します
時間の余裕なく撮れなかったよぉ…(笑)
バッテリーをタンクカバー内に移設して
サイドカバーのブラケットも切削除去
この三角スペースがカスタムバイクの証し(笑)
機外共に気合いを入れて整備した甲斐もあり
最も調子が良かった状態まで復元できました
身内が乗り続けるので今後も整備の手助けはしますが
持ち主として最後の整備作業は佳い時間でした
HONDA CB50J改は乗る楽しさだけでなく
バイクを整備する楽しさ奥深さを教えてくれました
10~20代の頃バイク弄りに明け暮れて
真冬でさえ寒さを忘れて深夜まで整備作業をしていた
そんな経験が今の職業にも生かされています
全ての作業を終えて
新しい持ち主に届けるため
最後の走行に出る
アイドリングから高回転域まで
軽快なメカニカルノイズを奏でて
心地よく回ってくれる
これなら安心して引き渡せるな
少し肩の荷が下りた
HONDA CB50J改
長い間本当にありがとう
御訪問の皆様
今日も一日お疲れ様でした
佳い夜をお過ごし下さい🏍