~はじめに~
コメント欄で希望される方も居り、
カメラ撮影要領に関連する内容を、
カメラ技術史にも触れながら、
数回に亘り投稿する予定です。
ブログでは雲と空を主題にした、
風景撮影の写真を投稿しておりますが、
家族の各諸行事や仕事では機械整備の工程写真まで、
幅広く撮影に携わっているものですから、
多岐にわたり撮影要領を御紹介できるかと思います。
あくまでも私の経験から得たノウハウですから、
説明不足な点や誤りもあるかもしれませんが、
少しでも御役に立てれば嬉しいです。
カメラはフイルム機からデジタル機まで様々ですが、
ここではデジタル一眼レフカメラ(デジイチ)で、
撮影要領を共有したいと思います。
誰もが手軽に高度な撮影をできる時代になりましたが、
それらの撮影結果に少なからず不満を抱く方も、
多くいらっしゃるのではないでしょうか。
撮影者の意図を撮影結果に反映させる意味では、
最適な撮影機材であると云えます。
参考画像を添付いたします。
EOS 40D - キヤノンカメラミュージアム (global.canon)
~撮影技術上達のポイント~
先ずは撮影意欲をかき立てる被写体に巡り逢うことが、
撮影技術を上達させる近道だと云えるでしょう。
その被写体の魅力を知っているからこそ、
わざわざカメラまで用意して写真に残したいわけで、
そこには其々の撮影者が持つ理想形が必ずあります。
もっと美しく…もっとシャープに…
もっと可愛らしく…もっと情熱的に…
理想を追求しつつ撮影意図を明確にすることで、
自然と撮影技術も向上するものです。
~カメラの初歩知識~
①適正露出
写真は露光を行うことでデジカメではイメージセンサーに、
フイルムカメラではフイルムに画像を記録します。
基本的には見たままの明るさで撮影したものを適正露出と云います。
カメラ操作の中でシャッター速度や絞り値等を調整することは、
この適正露出を得るためのものだと理解しておくとよいでしょう。
②シャッター速度
シャッター速度の調整により露光時間を調整できます。
これはシャッター幕が開いている時間のことで、
明るさに応じて適正な露光時間は変化します。
・明るい撮影条件では短時間の露光で画像を記録できます。
・暗い撮影条件では長時間の露光が必要になります。
機種にも拠りますが1/8000秒~30秒の範囲で、
小刻みな調整が可能です。
③絞り値
絞りはレンズ内に組み込まれている機構で、
複数の薄い羽根が円形状に開閉します。
絞りの開閉により被写界深度と露光時間に変化が生じます。
・絞りを開放するとボケた写真表現が可能になります。
光の取り込み量も増えるので露光時間は短くなります。
・絞りを閉じると写真全体を鮮明に写すことができます。
光の取り込み量は減少するため露光時間は長くなります。
被写界深度とは遠近で鮮明に撮影できる範囲を意味します。
画像を記録するのに必要な露光の度合いとでも云いましょうか、
フイルムカメラ時代には使用目的に合わせて、
フイルムで感度の選択をしておりました。
・日中の明るい屋外であれば感度100のフイルムを選択、
・日の出前や日没後あるいは屋内の暗所であれば、
感度400~800のフイルムを選択するという要領です。
機種にも拠りますが100~3200の範囲で調整します。
・この数値が小さいと多くの露光を必要としますが、
画質はきめ細かくなります。
・数値が大きいと少ない露光で画像を記録できますが、
画質は粗くなります。
画質がきめ細かいのであれば感度100を使いたくなりますよね。
ところが暗い撮影条件では長い露光時間が必要となります。
そのため三脚を使えないと手振れが生じやすくなり、
動体撮影では静止状態を画像に記録できません。
多少画質を犠牲にする結果にはなりますが、
感度を上げることにより、
短い露光時間で画像を記録することが可能になります。
前述のようにフイルムカメラの時代には、
フイルム自体を交換しないと感度は変えられなかったのに、
デジタルカメラではカメラ本体の設定のみで、
自由に感度調整をすることが出来るようになりました。
本当に便利な時代になりましたね。
⑤ホワイトバランス
カメラの色識別は人間の肉眼ほど優れておらず、
白い被写体を白く撮影するための調整が必要になります。
白色を基準にすることで、
他の色を見たままの色合いに、
近づけることができるのです。
色温度が関係してくるのですが、
カメラのメニュー画面で『晴天』『日陰』『曇り』など、
撮影環境に近いモードを選択すると、
だいたい見たままの色合いで撮影することができます。
最近はカメラの性能も向上しており、
カメラ任せのオート(参考画像ではAWB)に設定して、
良好な撮影結果を得られることも少なくはありません。
上記の①~⑤はデジイチに限ったものではなく、
フイルムカメラ時代からの必須項目です。
デジタル一眼カメラで撮影する現代でも、
カメラの基本的な原理を知ることにより、
撮影意図を撮影結果に反映することが、
スムーズに出来るようになります。
~自動露出について~
カメラ技術史において1970~80年代は、
コンピューター技術の発展に伴い、
カメラの自動化や高機能化も急速に進み、
各カメラメーカーが自動露出(AE)技術の開発に、
注力していた時代であったとも云えるでしょう。
この技術開発によりカメラがより身近で、
扱いやすい撮影道具になりました。
自動露出とは例えば任意のシャッター速度を選択すると、
適正露出に必要な絞り値が自動で設定されるというもの。
TV(シャッター速度優先AE)
AV(絞り優先AE)
P(プログラムによるシャッター速度と絞り値AE)
またモードダイヤルのアイコンからも確認できますが、
ポートレート撮影や遠景撮影など、
撮影状況に応じた各モードも、
プログラムAEに分類されます。
メーカーや機種の違いによる差異はありますが、
軍幹部(カメラ上面)にあるモードダイヤルにより、
自動露出モードやM(マニュアルモード)の選択をします。
そして電子ダイヤルを左右に回すことで、
シャッター速度と絞り値を調整できます。
TVモードではシャッター速度、
AVモードでは絞り値が可変します。
電子ダイヤルでISO感度も調整でき、
その他の項目も設定可能です。
余談ですが電子ダイヤルを搭載した初めての機種は、
1986年発売の CANON T90 であったと記憶しております。
T90 - キヤノンカメラミュージアム (global.canon)
現在でも採用されている優れた操作系の一つで、
フイルムカメラ時代に開発された素晴らしい技術の数々が、
現代のデジタルカメラにも受け継がれているのです。
以上カメラの初歩知識から自動露出に関連した、
カメラの設定などについて御紹介いたしました。
実際の撮影で如何にカメラを操作するのか、
またシャッター速度や絞り値についても、
補足説明が必要であると感じておりますが、
具体的な内容につきましては、
今後の記事で取り上げていく予定です。
最後にブログで投稿した撮影結果を、
今回御紹介した内容を踏まえて御覧ください。
私は殆ど全ての撮影でAVモードを選択します。
撮影状況による各設定の意図や必然性を、
感じ取っていただけるのではないでしょうか。
NIKON D300&AF-S NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G
(焦点距離18mm F8 1/30秒 ISO200 露出補正+2/3 )
夕焼け雲の撮影
・日没後の暗くなる撮影条件のため三脚を使用した。
・明暗差があり露出アンダーになり易いので+2/3露出補正を加えた。
・ホワイトバランスは曇りモードを選択、良い色合いで撮影できた。
CANON EOS 40D&EF-S 18-55mm 1:3.5-5.6 IS STM
(焦点距離18mm F8 1/640秒 ISO100 露出補正±0 )
朝空の雲を撮影
・明るい撮影条件の為、カメラを手持ちで撮影した。
・広角で撮影する場合、解像度を考慮してF8で撮影することが多い。
・CANON EOS 40D はフラットな状態で、青味が強調される傾向があるので、
ホワイトバランスは曇りモードを選択した。
(焦点距離50mm F3.5 1/160秒 ISO100 露出補正±0 )
アサガオの撮影
・F値が小さいレンズのため絞り値をF3.5に設定した。
あまりに小さい絞り値にすると背景がボケ過ぎてしまう。
・ホワイトバランスはアサガオの色合いを現合して晴天モードを選択した。
NIKON D300&AF-S NIKKOR 35mm 1:1.8G
(焦点距離35mm F4 1/50秒 ISO3200 露出補正±0 )
アップルパイの撮影
・屋内の暗い撮影条件であるため、また全体を鮮明に写す意図もあり、
絞り値はF4を選択してISO感度を3200まで上げることで、
シャッター速度を1/50秒まで稼ぐことができた。
・パイ生地の暖かみがある色合いはホワイトバランスをオートに設定すると、
美味しそうで自然な感じの色合いに撮影できた。
CANON EOS 40D&EF-S 18-55mm 1:3.5-5.6 IS STM
(焦点距離18mm F8 1/5秒 ISO800 露出補正±0 )
電柱越しの夕焼け空を撮影
・日没後の暗い撮影条件であるため ISO感度を上げて三脚を使用した。
・モニター画面を確認しながらホワイトバランスの設定を現合で行い、
夕焼け空の自然な色合いを表現することができた。
詳細設定は覚えていないが、日陰モードで撮影したと思われる。
御訪問の皆様
今日も一日お疲れ様でした
佳い夜をお過ごし下さい